第2章

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第2章

ガラスの仮面SS【梅静032】 第2章 縮まらない距離 (12) 1984年冬

「桜小路、お前、結構飲めるんだろ?時間早いけれど、どうだ?一杯ひっかけていかないか?明日からはまた緊張の日々になるだろうしな。」 「黒沼さん。ははは。黒沼さんほどは飲めませんけれど、僕も飲みますよ。行きましょう。」 「よし、じ...
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ガラスの仮面SS【梅静031】 第2章 縮まらない距離 (11) 1984年冬

難しい話もあり、はっきりと頭の整理ができていないこともあってか、話が終わったあとのマヤはぼーっとしていた。とにかく、試演で悔いのない演技をすることだけを考えるほかないということはわかっているのだけれど、それ以外のスケジュールやその先のこと...
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ガラスの仮面SS【梅静030】 第2章 縮まらない距離 (10) 1984年冬

会見の後、小野寺、赤目、亜弓、黒沼、桜小路、マヤは別室に残った。山岸理事長、千草から話があるということだった。 「こんなきれいな場所で演じることができるなら、シアターXよりも安全で気分も良いな。紆余曲折あっても、もうすぐ決まるってこ...
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ガラスの仮面SS【梅静029】 第2章 縮まらない距離 (9) 1984年冬

千草は続ける。 「名称は仮称ですわ。おいそれと決めることではありませんしね。まず、初代の協会長はわたくしが拝命いたします。そして、理事として、二人、候補者の二人は入っていただきます。さらにこちらの山岸理事長。ここまでの人選はできてお...
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ガラスの仮面SS【梅静028】 第2章 縮まらない距離 (8) 1984年冬

「おお~。立派なもんだな。大したもんだ。大都ってところはほんと金があるんだな。これをひと月で建てちゃったのか。あの若社長さんもやるもんだな。」 黒沼は迎えの車から降りて、ダイト・オーシャン・シアターを目の前にして、ことのほか大きな声...
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ガラスの仮面SS【梅静027】 第2章 縮まらない距離 (7) 1984年冬

翌朝は疲れが出たのか、あるいは、アパートに戻り緊張感が解けたのか、目が覚めて起き上がる時にふっとめまいがした。「慣れないことが続いて、たぶん、ちょっと疲れちゃったかな。やっぱりうちはほっとする…。でも、今までこんなことなかったのに…。」と...
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ガラスの仮面SS【梅静026】 第2章 縮まらない距離 (6) 1984年冬

マヤは余韻から抜け切れずに、立つことができないままでいた。遠巻きに、水城と麗がマヤを見守っていたが声はあえてかけないでいた。 すると、劇団Sのスタッフがマヤのもとに駆け寄ってきて、 「北島さん。少しだけお時間よいでしょうか。今...
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ガラスの仮面SS【梅静025】 第2章 縮まらない距離 (5) 1984年冬

ミュージカル「ドッグ」はブロードウェイで大人気のミュージカルを劇団Sが日本に持ってきたものだった。大都芸能も海外ミュージカルに進出したいと思っていたものの、こまわりがきく、劇団Sの代表 相川健多が自ら乗り込んで契約して、昨年の冬から開催し...
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ガラスの仮面SS【梅静024】 第2章 縮まらない距離 (4) 1984年冬

「うわぁ~、本当に海のそばなのですね。すごい、すごい!こっち側に来るの初めてだから新鮮。東京タワーがあんなふうに見えるなんて、不思議~。あ、あっ、ああ、シアターXはどのあたりになるんですか?」 マヤは、ダイト・オーシャン・シアターの...
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ガラスの仮面SS【梅静023】 第2章 縮まらない距離 (3) 1984年冬

東京へのフライトは3人で仲良く一列に座った。窓側からマヤ、水城、麗の順だった。沖縄に行くときは真澄と一緒で緊張して景色も見れなかったから、マヤは窓の外からの景色を楽しんでいた。 「日焼けだけは気を付けて。」 と水城はマヤに言い...
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