梅静

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第4章

ガラスの仮面SS【梅静068】 第4章 運命の輪(10) 1984年春

横浜 万福軒にて… 「やっぱりマヤちゃん!きゃー!」 杉子が驚いた様子でマヤに声をかけた。あまりに大きな声だったので、マヤと麗はお辞儀をしながら、人差し指をそっと自分の口元にたてて、杉子に声を落とすように無言でお願いし...
第4章

ガラスの仮面SS【梅静067】 第4章 運命の輪(9) 1984年春

「あたしも、本当の気持ちでは、彼に妊娠したことも、そしてだめになったこともすぐ言いたかった。でも言えなかった。ううん、言いたくなかった…。言えないのは彼に迷惑をかけたくなかったから、だと、思う…。でも、それより強い気持ちで言いたく...
第4章

ガラスの仮面SS【梅静066】 第4章 運命の輪(8) 1984年春

春の墓は、横浜から少し奥まった高台にある。こじんまりとしているがきれいな墓である。 あのとき母親を亡くしたことで、すべてをだめにしてしまったマヤは茫然とするほかなく、いけないかもしれないとわかりつつもすぐには納骨できずにいた。 ...
第4章

ガラスの仮面SS【梅静065】 第4章 運命の輪(7) 1984年春

真澄とマヤ、二人で部屋を出て、エレベーターでロビーに下りて行った。マヤは用心のために伊達メガネをかけ、大きなストールを真知子巻きして顔が目立たないようにしていた。うす紫のストールはマヤにとても似合っていた。 幸運にもエレベーターには...
第4章

ガラスの仮面SS【梅静064】 第4章 運命の輪(6) 1984年春

「よし。おい。源三さん。悪いがの。下のカフェに頼んで至急パフェをもたせてくれないかな。いや、待てよ。んー、今の季節はあんみつだ。よし。クリームあんみつにしよう。マヤさんはどちらでもいいね。よし、今日は和風の気分だ。千草。お前もあん...
第4章

ガラスの仮面SS【梅静063】 第4章 運命の輪(5) 1984年春

「実のところ、文だけは知っていた。気づいたんだ。わしが何に執着しているか。あいつは知っていた。わしが言葉にできていなかった部分もきっとわかっていた。 真澄、お前にとっては面白くないだろうし、わしに対する割り切れない部分でもあるだろう...
第4章

ガラスの仮面SS【梅静062】 第4章 運命の輪(4) 1984年春

「ふふぅっ。お前からその言葉が出るとはなぁ。長年の歴史かのう。マヤさんも年寄の戯言と思って聞いてくれ。真澄、お前は、そうだな。父親の腹の中を一度は知っておくのもよいだろう。お前は容姿も良く、美しい嫁さんを娶って、わしが抱えていたコンプレッ...
第4章

ガラスの仮面SS【梅静061】 第4章 運命の輪(3) 1984年春

ホテルの一室で マヤ、千草、速水親子の4人で、紅天女にまつわるいきさつを話し始める千草。千草の一蓮への想い、英介の想いなどが赤裸々に語られようとしています…。 「その頃ね。会長が私のファンになってくださってね…...
第4章

ガラスの仮面SS【梅静060】 第4章 運命の輪(2) 1984年春

「え、え、えっと。先生。大都様の会長様とは遺恨があると…そう思っていましたが…」 「そうよ。この憎いパフェおじさんが私から紅天女を取り上げた。紅天女も、そして、マヤ、私の顔の傷、知ってるでしょう?これもこのパフェおじさんの所為よ。そ...
第4章

ガラスの仮面SS【梅静059】 第4章 運命の輪(1) 1984年春

亜弓が主役となる第1期紅天女は3月3日を開幕とし、演目名は「復刻 紅天女」と名付けられた。演出は原作に忠実におこなった小野寺の演出をそのまま採用し、試演で披露した舞台を磨き上げ開演の日を迎えることになった。時間がないことも含みおき、稽古は...
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